『エロゲーとわたし』 連載第十一回

  2000年6月9日。

 さぁ今週もエロゲーを2本買ったのだ。
 だけど来週は4本の予定が3本になってしまったのだ。
 発売日が延びてしまったのだ。
 少し哀しいが、此で金の遣り繰りが少しだけ楽になったのだ。

 では、今週の『エロゲーとわたし』を始めるのだ。

 このホームページを読んでいる人で、『スーパーエレクト大戦SEX』(以後『エレクト大戦』)をプレイした事のある人はいるのだろうか?
 実の所、雑誌で攻略されているのすら見た記憶が無いのだ。
 あんまり売れなかったから仕方が無いのだ。
 そのうえ発売元がダイナミックプロだったのでユーザーサポートの感想が来ていたとしても見せて貰え無かったのだ。もしかしたら、一通も来ていなかったのかも知れないのだ。祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響き在り。
 『エレクト大戦』を最後に、ダイナミックプロはエロゲーから撤退したのだ。

 と言うわけで粗筋を書くのだ。

 魔王『ゴーチャン』に攫われた女の子達を、主人公『深井零』がスーパーエレクションパワーを駆使して助けるのだ。
 エレクションパワーはエロパワーで、この力を女の子に注入する事で、魔王の呪いから女の子達を解放するのだ。注入は勿論Hなのだ。身も蓋もないのだ。
 面をクリアする毎に、その面に囚われていた女の子とHするのだ。いわゆる御褒美Hと言う奴なのだ。
 解放した女の子は、次の面から味方のユニットになるのだ。
 最初は零一人か、と思われたそこの方。それは違うのだ。
 実は、幼なじみの弓野さやか、その親友の火綿恵子、牧瀬美樹の三人は最初から一緒なのだ。安心していいのだ。
 女の子達は一面に一人ずつ計十八人なのだ。十三面なのに十八人とは計算が合わないのだ。隠し面を含めると実は十五面なのだ。それに隠しキャラの三人(火綿恵子のHシーンは隠し)がいるので十八人でOKなのだ。
 一人当たり、Hシーンで四枚(内一枚は二画面分をスクロール表示)ずつ、これで先ず七十二枚。それにイベント絵が三十三枚、これに十七人のキャラにそれぞれミニ画面のHシーンが三枚ずつで五十一枚。全部で百五十六枚のグラフィックがあったのだ。なかなかの大作なのだ。有名じゃないけど。
 ぶっちゃけた話、昔はよく見かけたタイプ(エ○フの『シ○グリラ』等)と同タイプのゲームなのだ。

 深井零と言う主人公のデフォルト名は、神林長平の『戦闘妖精・雪風』の主人公から取らせて貰った。実は名前が思いつかなくて、取り敢えずと思ってつけたのだが、結局最後まで思いつかず、そのままとなったのだ。

 さてシナリオなのだ。
 最初、主人公の零は、佐藤いちごと言う女の子に恋しているのだ。彼女も魔王に誘拐されるのだ。最初は戦うのを嫌がっていた零も、魔王を追跡して来た天使ソフィアから、女の子を解放する為にはHする必要があると聞かされると、俄然やる気になるのだ。男の子なのだ。
 だから佐藤いちごちゃんともHするのだ。
 で、戦いは続き、幼なじみの弓野さやかは、どんどんと不機嫌になるのだ。零とさやかは口げんかばかりしているのだ。零もさやかの事を徐々に意識するようになるのだ。青春なのだ。
 でも零は、その気持ちが良く解らず。ついに零は佐藤いちごに告白タイムしようとするのだが、する前にいちごちゃんには好きな男が居ることが発覚するのだ。
二人は両想いの幼馴染み同士なのだと言う。零は振られるのだ。青春時代の真ん中なのだ。
 零が屋上で佇んでいると、さやかがやってくるのだ。さやかはからかいに来ただけだと言うのだ。気が強いのだ。好きなのだ。
 零は珍しく素直に、さやかはどんどん綺麗になっていく、とか話すのだ。昔からそう思っていても、幼馴染みにはどうも言いにくかったし、さやかも好きでもない男からそんな事を言われても嫌だろう、とか言うのだ。女心の解らない奴なのだ。さやかは怒ってしまう。なぜ怒るのか零には解らない。
 そんなこんなで二人は強く意識しあいながらもぎくしゃくするのだ。うーん青春。
零の方はいちごちゃんに振られたのに、大して落ち込んでもいない自分に気付き、本当に好きなのは誰だったのか解らなくなる。
さやかの方は、零はいちごに振られたから、自分の事を気にしだしたのではないかと疑ってしまうのだ。
 そして魔王ゴーチャンは一度倒れるが、復活してソフィアを攫うのだ。
 パワーアップした魔王を倒すと、魔王はソフィア以外は何もいらなかったと絶叫し、零に対して、お前にも同じ苦しみを味あわせてやると言って消滅するのだ。
 ソフィアを助けた零は、エレクションパワーの力でソフィアの記憶を覗き見るのだ。それはソフィアとゴーチャンのLOVEの記憶なのだ。
 ゴーチャンが魔王となったのは、ソフィアとのLOVEを同輩である神々に引き裂かれ憤怒の塊となったからだったのだ。
 結ばれなかった二人の姿を見て、零は、さやかがいつも側にいたから、却って遠回りしてしまった事に気付くのだ。書いていて恥ずかしいのだ。
 さやかに告白しようとする零。だが、さやかは最初から喧嘩腰で旨く行かない。
それでもなんとか告白する雰囲気になった所で、またもや復活を遂げた魔王に、さやかを攫われてしまうのだ。
 はたして零はさやかに告白する事が出来るのだろうか?

 と、まぁ基本的には、こういう話なのだ。
 基本的というのは、この他にもゴーチャンと敵対する神々の設定とか、地球が滅びそうになるとか、太陽系が消滅しそうになるとか、エレクションパワーの説明とか、色々とサスペンスな要素を含んだ話でもあるのだ。
 だが、零とさやか、ゴーチャンとソフィアと言う二組のカップルが結ばれるまでの話と言うのが肝であり、他の事は全て枝葉であるとも言えるのだ。
 まるで富○見ファンタジア文庫や電○文庫にありそうな、こっ恥ずかしい青春ものなのだ。でもワシは好きなのだ。

 こっ恥ずかしい青春物は大好きなのだ。
 幼馴染みを巻き込んだ三角関係は浪漫であるのだ。

 ここだけの話、ワシに多大な影響を与えた漫画家が二人いるのだが、一人は、偉大なる吾妻ひでお。もう一人は矢張り偉大な、あだち充なのだ。
 吾妻ひでおと言う名前がワシの口から出ても誰も驚かないのだが、あだち充という名前が出ると、皆驚くのだ。失礼なのだ。
 『タッチ』は、まず単行本で全巻買って、捨てて、愛蔵版で全巻買って、今度は失業中に古本屋に売って(今となっては『めぞん一刻』を売り飛ばせば良かったと後悔している)、会社の同僚が全巻買った文庫版を貪るように読んだのだ。
 矢張り傑作なのだ。中学生の時、近所の本屋で『タッチ』と出会わなければ、漫画を浴びるように読む現在のワシは存在しなかったのだ、というほど影響が大きいのだ。『H2』の後半四分の一は『タッチ』を越えたと思うのだが、全体の完成度と言う点では未だに『タッチ』はあだち充の最高傑作と思っているのだ。
 あだち充の事なら結構語るよワシ。語れば語るほど変人扱いされるのだ。

 そんな事はともかくなのだ。

 この文章を書くために『エレクト大戦』のシナリオを読み返したのだ。
 結構恥ずかしかったが、矢張り好きなのだ。
 何もかもが初々しい。
 一番奇妙なのは、零は女の子全員とSEXするのに、SEXの後で零に惚れる女の子が一人もいないと言う事。いわゆるモテモテ君では無いのだ。結構ワシはストイックなのだろうか? 
 今、市場で受けているゲームに比べて処女率も低いのだ。十八人中半数以上が処女じゃ無かったと思うのだ。
 今でもワシは、出てくる女の子キャラが全員処女のゲームは気持ち悪いと思うたちなので、それが反映されているのだ。我ながら困ったものだ。
 自分が書いた女の子キャラの中で未だに一番好きなキャラは『エレクト大戦』に出てきたキャラなのだ。進歩が無いのだ。勿論H出来るのだ。

 もう一度、今の力で、こういう話を書いてみたいと思っているのだ。
 ああ、学園物が書きたいのだぁ。

 で、今週は、これにておしまい。
 なんか纏まりが悪かった・・・予定通りにいかないのが、こういう連載の楽しさって言う奴ですか? とか自己弁護してみたり。ご免なさい。
 予告のキリヤマ太一のあれこれは来週と言う事で・・・

BY ストーンヘッズシナリオライター まるちゃん改め丸谷秀人でした。

PS              次回予告!!
          文字通り降って湧いた『エレクト大戦』
               原画家は失踪し
          シナリオライターは匙を投げた荒野に
          たったひとり立つ新米シナリオライター
                 そう
           青年はいつでも荒野を目指すのだ!!

             って先週のままじゃん!!

              あのシナリオライター
          創作力が枯渇して来たのでは無いか?
          と言う社内の冷たい目を意識しつつ。

      次回こそ!! キリヤマ太一と銭ゲバ婆といちごちゃん

              見捨てないでデイジー。

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